リモートワークやグローバル化も進み、「海外で出稼ぎする」なんて話も聞くようになりました。
マレーシアに住む日本人は2万人を超えるとされており、日系企業や日本のサービスも広く進出しています。
ただ、いざ行動しようとすると「海外に住んで仕事なんてしたことない」と不安になりませんか?
そこで、本記事ではマレーシア在住3年目の私が、具体的な仕事やお金、生活面について解説します。
読むとマレーシアに移住して仕事をし、生活するイメージがリアルにできるようになりますよ。
マレーシアに移住して仕事をする方法
マレーシアに住んで日本人が仕事をするには、大きくは「就労ビザ」を取得する方法と、他のビザでリモートで収入を得て生活する方法、現地で起業をする方法があります。
駐在員として赴任する
日本の本社に所属し、海外拠点に赴任する「駐在」という方法で多くの日本人ビジネスマンが滞在しています。
限られた人が選ばれることもあり待遇が良く、会社が住居を負担したり、運転手付きであったりすることもあるとか。
家族を帯同する人もいますし、単身赴任をする人もいます。
ただ、コロナ禍以降は駐在員の人数を減らす傾向があり、シンガポールとの兼任になったり、帰任したりするという話もマレーシアではよく聞きます。
駐在に限らず、海外で仕事をする時は業界の将来性や赴任後のキャリアについて考えておく必要がありそうですね。
駐在員の人って周りにいないのでイメージしにくいという場合は、まささんのブログが参考になります。(マレーシア在住ではありません)
駐在を目指したい方はチェックしてみてくださいね。
現地採用で就職する
現地の企業、またはグローバル企業に就職し、ビザを発給してもらって滞在ができます。
マレーシアでは、BPO企業(ビジネスプロセスアウトソーシングの略)が積極的に日本人をマレーシアで採用する制度があります。
BPO企業内で色々なプロジェクトが存在し、採用はプロジェクトごとに行われます。
あるクライアントのプロジェクトが終了すると、別のプロジェクトに転籍できることもあります。
日本でいう派遣のような仕事の委託の仕方ですが、マレーシアのBPOの多くは勤務場所はクライアントのオフィスでなくBPOのオフィスで、正社員としての採用となることが多いです。
BPO企業で現地採用として働く日本人がたくさんマレーシアには存在します。
また、BPO企業以外にも、現地の会社で日本人にビザを発給して採用している企業もあります。
マレーシアのBPO企業については、マレーシア仲間のまさみんさんのYoutubeチャンネルを見ると詳しくイメージできますよ。
リモートワーク、ノマド
リモートワークで、日本円や現地通貨で収入を得ながら生活するスタイルです。
以前は、リタイアした人がよく取得するMM2Hというビザで、ノマドスタイルで生活する人もいましたが、2022年10月よりデジタルノマドビザという制度が開始されました。
参考: For Foreign Digital Nomad MDEC
Malaysia Digital Nomad Visa, De Rantau Nomad Pass – How to Apply
マレーシアデジタルノマドビザの適応条件
- 国内企業または外資系企業との契約が有効なデジタルフリーランサーまたは独立請負業者。
- 現地企業または外資系企業との雇用契約が有効なリモートワーカー。
- デジタルマーケティング、デジタルコンテンツ開発、デジタルクリエイティブコンテンツなど、IT業界内で働いている方。
- 毎年24,000ドル以上の収入がある方。
日本でフリーランスをしていて月収が約30万円あれば、マレーシアでのノマド生活も夢ではありません。
ちなみに、現在MM2Hのビザは収入の条件が変更になって、月収100万円以上が必要となっています。
現地で起業
海外でやりたいことを実現させるために、現地で企業して活躍している経営者も存在します。
具体的にイメージするために、友人の女性経営者さんを紹介します。
フィンテック経営者に聞く㉔ ビー・インフォマティカ 稲田代表
金融系のバックグラウンドとデジタル技術、統計心理学テストを駆使して、デジタル貸金プラットフォームを提供しています。
最近は日本の会社も成立し、日本とマレーシアを行き来する生活をして活躍しています。
スポンサードリンク
マレーシア移住にかかるお金
マレーシアでは色々な働き方があることが分かったけど、実際に生活は回るのか?と心配になりませんか?
海外に来てお金がなくなって、航空券をとって帰国するお金もなくピンチ!なんてことは避けたいですよね。
私も初期は全く想像ができず、不安でしたが、今は快適に生活しつつ、貯金も増えています。
マレーシアに渡航したての時のお金に関する記事もリンクさせながら解説していきます。
初期費用
結論から言うと、日本国内で引越しするよりも安くつくと思っておいて大丈夫です。
私の体感では、航空券を含めても、日本で新しく賃貸を借りて住むより安いのでは?という感覚です。
理由としては、
①コンドミニアムには家具付きの物件も多い
②会社によっては航空券やホテルの費用が負担されることも
の2つがあります。
私が実際にマレーシアに来た2020年に、初期費用がどれくらいかかったかをブログにしています。
航空券が当初会社負担ではなかったので、片道航空券が約4万円、シェアハウスの初期費用とデポジットが6万円弱、その他買い足したものなどで合計13万円弱でした。
航空券や初期ホテルの費用負担がある求人だと、もっと少なく抑えられそうです。
こちらは、初期にシェアハウスとコンドミニアムのレンタルを比較した時の記事です。
引っ越ししてコンドミニアムに住む場合は、家賃2ヶ月分のデポジット(退去時に返却)、合計家賃3ヶ月分ほどの初期費用がかかります。
家賃については次の章で触れています。
記事で紹介しているように、私のように初期費用をかけずにシェアハウスに住むと、もっと抑えることができます。
家賃
マレーシアのコンドミニアムに住む場合、一人暮らしむけの場合はRM1500〜RM2500(月)の間(4.6万〜7.7万円)の間のことが多いです。
(今はこの部屋に住んでいません)
コンドミニアムの多くはジムやプールも敷地内にあり、部屋の面積も日本のワンルームと比べて広くなっています。
家賃は日本の都心と比べてコストパフォーマンスも良く、快適な生活ができるので、マレーシア生活で特におすすめな面の一つです。
生活費
マレーシアでの生活費は一言で言うと、抑えたければ抑えることができます。
貧富の差が激しいので、物やサービスも「ぴんきり」だからです。
私の初期の節約生活のブログです。
1ヶ月目はお給料もまだ出ていないので、節約生活を意識したのと、シェアハウスだったこともあり6万円台で生活しています。
ちなみに今は当初のように詳しく家計簿をつけていませんが、もっと生活費は上がっています。
ただ、よく外食し、我慢ぜず買いたいものを買っても、貯蓄もできている実感です。
ちなみに、マレーシア転職を考える方は必ず転職エージェントさんなどから知らされると思いますが、初期半年間は所得税の税率がとても高いです。
それも考慮した上で初期の家賃を決めるといいでしょう。
仕事の探し方
マレーシアでの仕事の探し方について紹介します。
私はマレーシアに初めて来た際は、人材会社経由で求人を紹介してもらいました。
この他にも、マレーシア内で転職した際には現地の求人サイトやSNSも利用しました。
人材会社
- 東南アジアに特化した日本の人材会社
アジア全体の求人を一括で探すことができます。
東南アジアや他の国を比較して、マレーシアがいいと思ったら、マレーシア現地に拠点を持つ人材会社を見てみましょう。
- マレーシア現地の日系人材会社
現地の求人サイト
現地の求人サイトで、英語で掲載されている求人を確認すると、日本語スピーカーを募集していることがあります。
マレーシア人だけを対象としているのか、日本人のビザまでサポートがあるのかを応募する時に確認するようにしましょう。
Jobs in Malaysia - Search Job Vacancies - Career | JobStreet.com.my
Jobs in Malaysia - Latest Job Vacancies - Job Search at Monster Malaysia
Linked in
海外では名刺がわりになっているLinked inに登録すると、リクルーターからスカウトをもらえることがあります。
実名で登録が必要になることから、真剣にキャリアやビジネスの情報交換ができるSNSです。
マレーシアで日本人の募集がある職種
マレーシアの求人サイトを見ていてよく募集がかかっている職種を紹介していきます。
カスタマーサポート
現地採用でBPO企業で働く人の王道の職種です。
電話やメールで顧客からの問い合わせ対応を行います。
日本語だけで対応できる仕事も、英語が必要になる仕事もあります。
シフト制勤務や夜勤が必要になることがあるので、自分が対応できる条件をよく整理して応募することがおすすめです。
コンテンツチェック
SNSやアプリ内などのコンテンツがポリシーに反していないかを確認する仕事です。
暴力的なものや性的なものに抵抗のない方におすすめです。
カスタマーサポートとともに、BPO企業が募集をかけています。
営業・マーケティング
日系・外資系ともに募集があります。
IT業界でインサイドセールスのような職種から、車が必要で出張の多い職種まであります。
私はマレーシアでの最初の就職で、5年以上も離れていたにもかかわらず営業として採用されました。
必要な経験を満たせば、キャリアチェンジの可能性もあると言えるでしょう。
IT業界
テクニカルサポート、エンジニア、デベロッパーなど広く募集があります。
友達の知人の人で、現地の企業がビザをサポートしてWebデザイナーとして採用されたという話も聞いたことがあります。
現地の就職サイトで英語で求人に応募できると、より仕事の幅も広がります。
金融・会計
ファイナンスとして募集がかかっており、経験が必要とされることが多い仕事です。
人事・リクルーター
現地の人材会社や企業が日本人を採用する時に窓口となる仕事です。
海外就職をしていると、実際に日本人の人事担当者にお世話になることがあります。
マレーシア移住して仕事をするメリット
マレーシアに海外就職する時にメリットとなることを考えてみました。
住環境・気候・食事が合えば快適
日本よりも面積が広くコストパフォーマンスのいい住環境は、仕事のモチベーションになるでしょう。
マレーシアは常夏で、四季の変化がありません。
最高気温も33度くらいなので、意外に日本の夏みたいに暑くなりません。
日本の厳しい冬が苦手だったり、気温の変化で体調を崩したりしやすい人にはとても快適です。
また、食事面でも日本食が簡単に手に入り、アジアであるので日本人の口にあいやすいと思います。
ただし、コンドミニアムが嫌いで一軒家がいい、夏が苦手、アジア料理が苦手など人によって好みがある部分でもあると思います。
心配な場合はぜひ一度旅行で食事や気候を体験してみましょう。
海外で仕事をした実績ができる
マレーシアには日本人の雇用のマーケットがあり、ビザの発給も比較的簡単ですが、それでも「海外で働いている」という実績作りが可能です。
仕事に受かっても、ビザの面、生活面など色々なハードルを超えた限られた人だけができる海外での仕事の機会です。
日本に帰国して転職する際にも、工夫次第でキャリアに繋げることができるでしょう。
マレーシア移住 生活面の注意点
マレーシアで仕事をすることを考えた際に、生活面で心配になることはありませんか?
私がマレーシアに来て最初に受けた印象は「思ったより発展していて都会」でした。
ただ、生活していると色々なデメリットや海外生活ならではの事情も出てきました。
発展しているけど東南アジアである
高層ビルもあり、タクシーもGrabというアプリでデジタル化しているので、最初はとても刺激的でした。
ただ、働いている人は良くも悪くも「東南アジアの人なんだな」と思うことがあります。(個人差はあります)
スーパーやコンビニの店員の態度は日本に慣れていると悪いと感じますし、お店のメニューにあるのに実際は提供できない、なんてこともあります。
通販で時間を指定して配送してもらうサービスなどもありません。
悪気はなく、”Sorry ya.(ごめんね)”と済まされることもあり、最初はイライラしていましたが、南国気質に合わせて大らかにふるまうようにしています。
また、暑い国ならではで、食品をテーブルに置いておくとすぐアリが来ることもあります。
虫が絶対に無理な方は厳しいかもしれません。
ビザは滞在の死活問題となる
就職が決まり、渡航する際に問題となるのがビザです。
以前はビザが支給されるまで観光ビザで渡航することもあったようですが、現在は厳しくなっており、ビザが降りるまでは就業ができません。
さらに、マレーシアに渡航してからマレーシア内で転職する時も同様なので、ビザが出るまで無給で過ごすことになります。
マレーシア内での転職の体験をnoteに書いています。
英語の上達は期待しすぎない方がいい
マレーシアは多民族国家で、公用語はマレー語となります。
英語は街中で問題なく通じますし、ビジネスでは英語が当たり前になっています。
それでも、地元の人同士の会話はマレー語、中国語、ビンズー語などとなっているので、英語はみなさん話せるもののあくまでも複数の選択肢の一つのようです。
なので、日本人からすると英語のハードルは低いのですが、良くも悪くも非ネイティブの英語止まりとなります。
これからマレーシアを足がかりに、アメリカやイギリスなどネィティブレベル英語を身につけたい方には、少し物足りなく感じてしまうかもしれません。
私も、間違っていても寛容な「優しい英語」に慣れてしまっているので、英語が上手な友達と話すなどしてレベルアップをしたいところです。
まとめ
マレーシアで仕事をして3年目にして思うことをリアルに紹介していきました。
私個人としては、マレーシアは英語が通じて外国人に優しい国なので、海外が初めての方にもおすすめできます。
マレーシアは国民の平均年齢も日本より低く、デジタル化もすすんでいるところがあります。
アジアの独特な街の活気もあり、南国なので明るい人も多いと感じます。
マレーシア移住、就職を考える人はぜひ一度マレーシアに旅行してみてくださいね。